ドラマにしろ漫画にしろアニメにしろ、基本的に大本命のもの以外は最初と最後さえあればそれでいい、と思ってしまう。
先月から始まったドラマを見てました、最終回待ちです。アニメ、気が向いたら見てます、でも最終回待ちです。映画……はあんまり見ないけど、最後はハッピーエンドですか?
ってそんな感じですよw
間のごちゃごちゃがどうも苦手で、文庫本を読んでても最初と最後を見て満足(おい
何が言いたいかって?
自分が書くSSも途中端折ってばっかりなんだよwww
というわけで端折った感たっぷりの短編です。
『熱中症』どぞ。
*
8月を目前にした7月の下旬、世間や学校は夏休みなる長期休暇に入ったとなれば、たとえテスト期間中であろうと一向に活動を止めるつもりのないハルヒが何もしないわけもなく、夏休み初日から去年と同じように古泉の親戚――を装った機関の人間――が持っているという別荘で合宿を行った。ただし今年は去年の二の舞にならないようにとハルヒのお達しにより全員課題を持っていったので、勉強合宿といった方がしっくり来るだろう。
ハルヒと長門は知ってのごとく、古泉も忌々しいことに勉強が出来る。それから朝比奈さんも努力家だからな、きちんと予習復習をやっているらしいし慌てなければ意外と(といっては失礼か?)成績はいいらしい。つまりは危ぶまれるのは俺ひとりということでハルヒが付きっ切りで教えてくれた。教え方は上手いんだが少し間違えるだけでハリセンで叩かれるのには辟易した、それでも初めて7月中に課題を終えることが出来たことに関しては素直にありがたく思う。これで何の気兼ねもなくエアコンの効いた部屋でシャミセンライフを満喫できるんだからな。
だがそんな怠惰な生活がそうそう許されるわけも無く、まどろみつつあったところで枕元に置いていた携帯がけたたましく音楽を奏でた。俺は表示されている相手の名前も見ないうちから小さく嘆息した、さらばシャミセンライフよ。
しかしもしもこのときの俺の台詞が違っていたならこの部屋から出ることもなかったんだろうな、今さら言ってみても遅いから脇に置くことにしよう。
俺はさっさと取れと鳴り続ける携帯の通話ボタンを押し、相手が早口に用件を言う前に訊ねた。
「今日はどこに集まるんだ?」
===
エアコンの効いた家から一歩出ればそこは灼熱、殺人的なほどの太陽光線が燦々と降り注いでおり、この炎天下の下チャリを漕がねばならないと考えるとげんなりする。まだ7月だよな? まだ日陰にいるというのにその日差しにやられてしまいそうだ。
俺は一度家の中に取って返し、まだひんやりとした空気の漂う部屋のクローゼットの中から何の飾り気も無い帽子を取り出す。あまり帽子は好きじゃないのだが万が一にでも倒れたりするよりずっといいだろう、嘆息している間に待ち合わせの時間が迫っていることに気付き慌てて愛車に跨った。
いつも駅前に集合するのだが今日は何を思ったのか公園に集合らしい、まあ日陰の少ない駅前でアスファルトからの照り返しを受けることもないと思えば少しはマシだろう。
早くも日光にやられつつ近くの駐輪場に自転車を止め公園まで歩く、噴きだす汗がシャツを濡らしてへばりつくのが気持ち悪いぜ。……臭ってないよな?
「遅いわよ」
さり気なく自分の体臭を確認しようとしたところでよく通る聞き慣れた声が俺の耳に届いた、遅いと言われてもこれでもそれなりに急いできたんだぜ。そんなことを言ってもハルヒには右から左なんだろうけどな。やれやれ、やっぱり俺が一番最後か……おや?
「何がおや、よ。遅いって言ってるんだから謝るのがまず先じゃないの?」
「ああすまん。だが他の連中がまだ来てないんだから遅いと言われる筋合いはないと思うぞ」
それにしてもあの3人がまだ来てないというのは珍しいな、もしかしたら古泉の奢りに与れるかもしれないな、などという俺の儚い夢をあっさりとハルヒは打ち砕いてくれた。
「来ないわよ」
たった一言でな。って、は?
「聞こえなかった? 来ないって言ってるのよ。あんたより先に電話したんだけどみんな都合が合わないって言われてね。もしもキョンもやる気なさそうだったら休みにしようと思ってたんだけど、意外に乗り気みたいだったからあんただけ呼び出したってわけ」
ハルヒの言葉に俺は思わず十数分前の自分の言動を恨んだ、何故あの時柄にもなくやる気がありそうな返事をしてしまったのか。今頃まったりと続けていたかもしれないシャミセンライフを思い浮かべると落胆が隠せない。
「そんなに落ち込まなくてもいいじゃない。とにかくせっかく呼んだんだからあたしの買い物に付き合ってよ」
ハルヒは少しぶっきらぼうに言うや日差しを気にした様子もなく日当に歩き出す、それほど危険視していないのかもしれないが俺からしてみればどうしても熱中症や日射病なんかが気になって仕方ない。
俺はハルヒを見ながら妹を思い浮かべる、あいつも俺の言うことを効かずに帽子を被らないで外に出てははしゃぎまわった挙句しょっちゅう暑さにやられたり気分を悪くしてたものだ。最近は一緒に選んでやった帽子がお気に召したらしくいつも被っているから前ほど心配も無くなったがな。ああそうだ、ハルヒにも妹と同じように帽子を買ってやろうか。
ひとまず一人ですったか歩いていくハルヒに追いつき被っていた帽子をハルヒに被せる、ミスマッチかもしれんがないよりはずっといいだろう。
「わっ!? いきなり何するのよ、バカキョン!」
途端慌てて外そうとするがそれを押さえつけ止めさせる。
「日差しが強いんだから被っておけって、気分悪くなるよりいいだろ。それでだなハルヒ、お前どんな帽子が好きだ?」
「え? 帽子?」
あまりに唐突過ぎた質問だったからかハルヒは一切の動作をやめぽかんとした表情で俺を見上げる、いきなりだったかもしれんがそれほど驚くような内容だったか?
「ああ。持ってるんなら必要ないかもしれないが」
「うーん、多分あったと思うけど……どこに置いたかしら? でもなんで突然?」
突然は突然だったが何で、じゃないだろ。
「毎日毎日暑いからな、お前はしょっちゅう出歩くくせに帽子も何も被らない。いくら必要ないと言っても気をつけるに越したことはないんだからな、それに俺が買ってやるって言ってるんだからありがたく思え」
些か早口に言ってしまうとハルヒは不躾にじろじろと見回しにやり、と笑った。う、この顔は俺にとってよくないことを考えたって事だよな。
「ふぅーん、その言い方はすっごくむかつくけどあんたにもようやく団長を敬う心が生まれたってわけね。じゃあお言葉に甘えて奢ってもらおうかしら、もちろんうんと高いのを」
「ただし俺の予算内で頼むぞ」
慌てて俺は釘を刺す。ハルヒはそれを予想していたらしく、冗談よ、とまた笑った。
==
あーでもないこーでもないとおよそ半日近くをかけハルヒが選んだのは白い、つばの広い帽子だった。朝比奈さんがよく来ている清楚なワンピースにはぴったりだろうが、ハルヒが今着ている服には合いそうにない。だがハルヒが選んで満足しているんだからいいだろう、それに俺もこれで一安心だ。ほっとしつつずっと貸していた帽子を返してもらう、日も傾いてきたし真っ昼間より日差しに気をつけなくてもいいだろうしな。
「でもね」
「ん?」
さて、今日はこれでお役御免だろうと思っていると、ふいにハルヒはそう切り出し聞き返すより早くたった今俺が返してもらった帽子をぶん取り、それをまた自分の頭に被せた。
「これもこれで結構気に入ってたのよね」
にやりともにこりともつかないどこか曖昧な表情で微笑んだハルヒに魔が差しでもしたのだろう、そうでなければ俺の行動の理由がつかないからな。
俺はすっとハルヒに顔を近づけ――
こつん、とハルヒが被っていた帽子のつばに阻まれた。
「へ? え? あれ? あ、はは、何してんだろな、俺?」
誤魔化すようにハルヒから帽子を返してもらい慌てて離れる、じっと俺を見つめるハルヒの視線がいたたまれない。すまん、俺も自分のやったことの理由が分からないんだよ。
「じゃ、じゃあ俺は帰るな、はは、また学校でな」
どもりながら固まっているハルヒに別れを告げ家路に着く。
――あー、ちくしょう、顔が熱い。頭ん中もぐちゃぐちゃでわけが分からん。
どうにもこうにも、俺が熱中症にかかってしまったようだぜ。
―了―
あー端折りまくりwww
日射病、熱射病、熱中症、どれが当てはまるか分からないけど熱中症にしました。
正しくはどれだろう?
追記:その後のハルヒを見たいという方がおられたので、ハルヒがキョンの帽子を取った辺りから。短いですがどうぞ。
「これもこれで結構気に入ってたのよね」
ひょい、とキョンに取られたばかりの帽子を被り、だけどにこりと笑えばいいのか悪戯っぽく笑えばいいのか分からなくてその丁度中間のような、自分でも分かるほど曖昧な顔で笑ってみせる。
? あれ? キョンってばどうしたのかしら。ちょっとだけ顔を赤くして、でもどこか思いつめた表情であたしに顔を近づけてきて――
被っていた帽子のつばにこつん、と何かが当たったらしく額が押された。なんでだろうとキョンを見てみれば、キョンは目元あたりを押さえ顔を真っ赤にしている。いつも仏頂面ばっかりだけどそんな顔もするんだ、初めて見るわね。
「へ? え? あれ? あ、はは、何してんだろな、俺?」
どもりながらキョンは少し乱暴にあたしから帽子を取り――髪がぼさぼさになるじゃないの――自分の頭に乗せると慌てたようにあたしから離れる。あれ? 何が起きたの?
いまいち状況がつかめず呆然としているうちにキョンはさっさと帰って行ったみたい、あたしが気付いたときにはもうキョンの姿は見えなかった。思い出すのはキョンの赤い顔と、額にまだ残るキョンが近付いてきたときにぶつかった際の緩い痛み。
「――!」
今さらあたしはキョンが何をしようとしたのか、それに思い至った。同時にあのどこか思いつめたような顔の理由も。
……何よ、もう。
「気を付けてても意味ないじゃないの」
かぁ、と熱くなる顔を押さえながら一人先に帰ってしまった相手に対して文句を言ってやる。
気を付けてたのにこんなに熱いなんてあんたのせいじゃないの。
まるで熱中症にかかったみたいなこの熱さはなかなか引く気配を見せない、多分しばらくは治りそうにないわね。だけどこんなときに何が必要かわかる。
あたしはすぐさま携帯を取り出し短縮ボタンを押す、数コールの後にさっきまで一緒にいた奴のやっぱりやる気のなさそうな声が耳に届いた。
「あ、キョン!? 明日映画にでも行かない? ありがたく思いなさい、帽子のお礼に奢ってあげるわ! そのあと今日出来なかった買い物に付き合うこと、いいわね!」
―ほんとに終わり―
こんな感じでどうでしょうか?
一言言うならキョンもハルヒも熱中症はしばらく治りそうにないかな、なんてね。
では。
先月から始まったドラマを見てました、最終回待ちです。アニメ、気が向いたら見てます、でも最終回待ちです。映画……はあんまり見ないけど、最後はハッピーエンドですか?
ってそんな感じですよw
間のごちゃごちゃがどうも苦手で、文庫本を読んでても最初と最後を見て満足(おい
何が言いたいかって?
自分が書くSSも途中端折ってばっかりなんだよwww
というわけで端折った感たっぷりの短編です。
『熱中症』どぞ。
*
8月を目前にした7月の下旬、世間や学校は夏休みなる長期休暇に入ったとなれば、たとえテスト期間中であろうと一向に活動を止めるつもりのないハルヒが何もしないわけもなく、夏休み初日から去年と同じように古泉の親戚――を装った機関の人間――が持っているという別荘で合宿を行った。ただし今年は去年の二の舞にならないようにとハルヒのお達しにより全員課題を持っていったので、勉強合宿といった方がしっくり来るだろう。
ハルヒと長門は知ってのごとく、古泉も忌々しいことに勉強が出来る。それから朝比奈さんも努力家だからな、きちんと予習復習をやっているらしいし慌てなければ意外と(といっては失礼か?)成績はいいらしい。つまりは危ぶまれるのは俺ひとりということでハルヒが付きっ切りで教えてくれた。教え方は上手いんだが少し間違えるだけでハリセンで叩かれるのには辟易した、それでも初めて7月中に課題を終えることが出来たことに関しては素直にありがたく思う。これで何の気兼ねもなくエアコンの効いた部屋でシャミセンライフを満喫できるんだからな。
だがそんな怠惰な生活がそうそう許されるわけも無く、まどろみつつあったところで枕元に置いていた携帯がけたたましく音楽を奏でた。俺は表示されている相手の名前も見ないうちから小さく嘆息した、さらばシャミセンライフよ。
しかしもしもこのときの俺の台詞が違っていたならこの部屋から出ることもなかったんだろうな、今さら言ってみても遅いから脇に置くことにしよう。
俺はさっさと取れと鳴り続ける携帯の通話ボタンを押し、相手が早口に用件を言う前に訊ねた。
「今日はどこに集まるんだ?」
===
エアコンの効いた家から一歩出ればそこは灼熱、殺人的なほどの太陽光線が燦々と降り注いでおり、この炎天下の下チャリを漕がねばならないと考えるとげんなりする。まだ7月だよな? まだ日陰にいるというのにその日差しにやられてしまいそうだ。
俺は一度家の中に取って返し、まだひんやりとした空気の漂う部屋のクローゼットの中から何の飾り気も無い帽子を取り出す。あまり帽子は好きじゃないのだが万が一にでも倒れたりするよりずっといいだろう、嘆息している間に待ち合わせの時間が迫っていることに気付き慌てて愛車に跨った。
いつも駅前に集合するのだが今日は何を思ったのか公園に集合らしい、まあ日陰の少ない駅前でアスファルトからの照り返しを受けることもないと思えば少しはマシだろう。
早くも日光にやられつつ近くの駐輪場に自転車を止め公園まで歩く、噴きだす汗がシャツを濡らしてへばりつくのが気持ち悪いぜ。……臭ってないよな?
「遅いわよ」
さり気なく自分の体臭を確認しようとしたところでよく通る聞き慣れた声が俺の耳に届いた、遅いと言われてもこれでもそれなりに急いできたんだぜ。そんなことを言ってもハルヒには右から左なんだろうけどな。やれやれ、やっぱり俺が一番最後か……おや?
「何がおや、よ。遅いって言ってるんだから謝るのがまず先じゃないの?」
「ああすまん。だが他の連中がまだ来てないんだから遅いと言われる筋合いはないと思うぞ」
それにしてもあの3人がまだ来てないというのは珍しいな、もしかしたら古泉の奢りに与れるかもしれないな、などという俺の儚い夢をあっさりとハルヒは打ち砕いてくれた。
「来ないわよ」
たった一言でな。って、は?
「聞こえなかった? 来ないって言ってるのよ。あんたより先に電話したんだけどみんな都合が合わないって言われてね。もしもキョンもやる気なさそうだったら休みにしようと思ってたんだけど、意外に乗り気みたいだったからあんただけ呼び出したってわけ」
ハルヒの言葉に俺は思わず十数分前の自分の言動を恨んだ、何故あの時柄にもなくやる気がありそうな返事をしてしまったのか。今頃まったりと続けていたかもしれないシャミセンライフを思い浮かべると落胆が隠せない。
「そんなに落ち込まなくてもいいじゃない。とにかくせっかく呼んだんだからあたしの買い物に付き合ってよ」
ハルヒは少しぶっきらぼうに言うや日差しを気にした様子もなく日当に歩き出す、それほど危険視していないのかもしれないが俺からしてみればどうしても熱中症や日射病なんかが気になって仕方ない。
俺はハルヒを見ながら妹を思い浮かべる、あいつも俺の言うことを効かずに帽子を被らないで外に出てははしゃぎまわった挙句しょっちゅう暑さにやられたり気分を悪くしてたものだ。最近は一緒に選んでやった帽子がお気に召したらしくいつも被っているから前ほど心配も無くなったがな。ああそうだ、ハルヒにも妹と同じように帽子を買ってやろうか。
ひとまず一人ですったか歩いていくハルヒに追いつき被っていた帽子をハルヒに被せる、ミスマッチかもしれんがないよりはずっといいだろう。
「わっ!? いきなり何するのよ、バカキョン!」
途端慌てて外そうとするがそれを押さえつけ止めさせる。
「日差しが強いんだから被っておけって、気分悪くなるよりいいだろ。それでだなハルヒ、お前どんな帽子が好きだ?」
「え? 帽子?」
あまりに唐突過ぎた質問だったからかハルヒは一切の動作をやめぽかんとした表情で俺を見上げる、いきなりだったかもしれんがそれほど驚くような内容だったか?
「ああ。持ってるんなら必要ないかもしれないが」
「うーん、多分あったと思うけど……どこに置いたかしら? でもなんで突然?」
突然は突然だったが何で、じゃないだろ。
「毎日毎日暑いからな、お前はしょっちゅう出歩くくせに帽子も何も被らない。いくら必要ないと言っても気をつけるに越したことはないんだからな、それに俺が買ってやるって言ってるんだからありがたく思え」
些か早口に言ってしまうとハルヒは不躾にじろじろと見回しにやり、と笑った。う、この顔は俺にとってよくないことを考えたって事だよな。
「ふぅーん、その言い方はすっごくむかつくけどあんたにもようやく団長を敬う心が生まれたってわけね。じゃあお言葉に甘えて奢ってもらおうかしら、もちろんうんと高いのを」
「ただし俺の予算内で頼むぞ」
慌てて俺は釘を刺す。ハルヒはそれを予想していたらしく、冗談よ、とまた笑った。
==
あーでもないこーでもないとおよそ半日近くをかけハルヒが選んだのは白い、つばの広い帽子だった。朝比奈さんがよく来ている清楚なワンピースにはぴったりだろうが、ハルヒが今着ている服には合いそうにない。だがハルヒが選んで満足しているんだからいいだろう、それに俺もこれで一安心だ。ほっとしつつずっと貸していた帽子を返してもらう、日も傾いてきたし真っ昼間より日差しに気をつけなくてもいいだろうしな。
「でもね」
「ん?」
さて、今日はこれでお役御免だろうと思っていると、ふいにハルヒはそう切り出し聞き返すより早くたった今俺が返してもらった帽子をぶん取り、それをまた自分の頭に被せた。
「これもこれで結構気に入ってたのよね」
にやりともにこりともつかないどこか曖昧な表情で微笑んだハルヒに魔が差しでもしたのだろう、そうでなければ俺の行動の理由がつかないからな。
俺はすっとハルヒに顔を近づけ――
こつん、とハルヒが被っていた帽子のつばに阻まれた。
「へ? え? あれ? あ、はは、何してんだろな、俺?」
誤魔化すようにハルヒから帽子を返してもらい慌てて離れる、じっと俺を見つめるハルヒの視線がいたたまれない。すまん、俺も自分のやったことの理由が分からないんだよ。
「じゃ、じゃあ俺は帰るな、はは、また学校でな」
どもりながら固まっているハルヒに別れを告げ家路に着く。
――あー、ちくしょう、顔が熱い。頭ん中もぐちゃぐちゃでわけが分からん。
どうにもこうにも、俺が熱中症にかかってしまったようだぜ。
―了―
あー端折りまくりwww
日射病、熱射病、熱中症、どれが当てはまるか分からないけど熱中症にしました。
正しくはどれだろう?
追記:その後のハルヒを見たいという方がおられたので、ハルヒがキョンの帽子を取った辺りから。短いですがどうぞ。
「これもこれで結構気に入ってたのよね」
ひょい、とキョンに取られたばかりの帽子を被り、だけどにこりと笑えばいいのか悪戯っぽく笑えばいいのか分からなくてその丁度中間のような、自分でも分かるほど曖昧な顔で笑ってみせる。
? あれ? キョンってばどうしたのかしら。ちょっとだけ顔を赤くして、でもどこか思いつめた表情であたしに顔を近づけてきて――
被っていた帽子のつばにこつん、と何かが当たったらしく額が押された。なんでだろうとキョンを見てみれば、キョンは目元あたりを押さえ顔を真っ赤にしている。いつも仏頂面ばっかりだけどそんな顔もするんだ、初めて見るわね。
「へ? え? あれ? あ、はは、何してんだろな、俺?」
どもりながらキョンは少し乱暴にあたしから帽子を取り――髪がぼさぼさになるじゃないの――自分の頭に乗せると慌てたようにあたしから離れる。あれ? 何が起きたの?
いまいち状況がつかめず呆然としているうちにキョンはさっさと帰って行ったみたい、あたしが気付いたときにはもうキョンの姿は見えなかった。思い出すのはキョンの赤い顔と、額にまだ残るキョンが近付いてきたときにぶつかった際の緩い痛み。
「――!」
今さらあたしはキョンが何をしようとしたのか、それに思い至った。同時にあのどこか思いつめたような顔の理由も。
……何よ、もう。
「気を付けてても意味ないじゃないの」
かぁ、と熱くなる顔を押さえながら一人先に帰ってしまった相手に対して文句を言ってやる。
気を付けてたのにこんなに熱いなんてあんたのせいじゃないの。
まるで熱中症にかかったみたいなこの熱さはなかなか引く気配を見せない、多分しばらくは治りそうにないわね。だけどこんなときに何が必要かわかる。
あたしはすぐさま携帯を取り出し短縮ボタンを押す、数コールの後にさっきまで一緒にいた奴のやっぱりやる気のなさそうな声が耳に届いた。
「あ、キョン!? 明日映画にでも行かない? ありがたく思いなさい、帽子のお礼に奢ってあげるわ! そのあと今日出来なかった買い物に付き合うこと、いいわね!」
―ほんとに終わり―
こんな感じでどうでしょうか?
一言言うならキョンもハルヒも熱中症はしばらく治りそうにないかな、なんてね。
では。

